石に刻む文字から、紙へ刷る文字へ
古代ローマの碑文には線端が広がる形が見られます。筆で下書きした跡、石を彫る工程、視覚的な終端など複数の説明があり、「のみが滑るのを防ぐため」と一つだけに断定するのは難しい歴史です。
活版印刷では手書き文字やローマ碑文を参照した活字が作られ、セリフ体は長文印刷の標準になりました。
サンセリフは最初、本文ではなく見出しに現れた
装飾を減らしたサンセリフ活字は19世紀初頭に登場し、広告や看板の強い見出しへ使われました。あまりに異質だったため、初期には grotesque と呼ばれ、その語は現在も書体分類に残ります。
20世紀のモダニズム、交通表示、企業デザインを通じ、サンセリフは合理的で現代的な印象と結びつきました。
どちらが読みやすいかに絶対の答えはない
読みやすさは書体分類だけでなく、字の大きさ、行間、線の太さ、画面品質、読者の慣れで変わります。小さな画面だから必ずサンセリフ、長文だから必ずセリフという単純な規則では選べません。